アスペルガーのメソッド

ADHD、アスペルガーとして40年。身につけたメソッド(対策・生き方)をご紹介します。

自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群の人は早死するという説を検証する。

男性の死亡リスクの3位は自閉症

ジョンズホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学校は、男性の死亡リスクが最も高い病気のリストを作成した・・・らしい。以下がそのリストのようです。

1位:インフルエンザ
2位:腫瘍(がん)
3位:自閉症

なんと3位が自閉症・・・
ちなみに全男性に占める自閉症の割合って何パーセントなんでしょうか。とにかく突っ込みどころ満載のこの記事、さすがは、ロシアのメディア「スプートニク」といったところでしょうか。

jp.sputniknews.com

自閉症スペクトラム障害の人(アスペルガー症候群を含む)は死亡リスクが高いという調査結果

というわけで、本日のテーマは、自閉症の人は早死にするのかしないのか。

40歳を超えて、人生の折り返し地点に立つと、否が応にも「死」の陰が見え始めます。そろそろ、老後について、死について、ちょっとくらい考えておくのは悪いことではなさそうです。妻は自分より先に死ぬなといっておりますが、男性の平均寿命は女性より短いことを考えるとたぶん無理でしょう。

しかも自閉症なら「なおさら」・・・ と不安を煽るような記事が、いくつかありましたので引用してみたいと思います。

成人期アスペルガー症候群の患者は、一般成人よりもはるかに高い確率で、自殺を計画したり試みたりした経験があるという臨床調査データが、6月25日付で「ランセット 精神医学(The Lancet Psychiatry)」に掲載された。

www.qlifepro.com

たしかに「死にたい」とは、子どもの頃から、ことあるごとに思ってきたことです。学校で叱られ、塾で叱られ、近所で叱られ、家で叱られ、友だちにハブられ、大人になれば、職場でトラブり・・・(今は寛解しているので、死にたいなんて思いませんが…)

とまぁ、逃げ場のない人生でしたから、結構本気で自殺しようと思ったことは何度もあります。アスペルガー症候群の方ならだいたいそんな感じじゃないでしょうか。

一方で、楽しい時間を過ごしていると、「オレ、130歳くらいまで生きられるんじゃないか」とか、結構真剣に思ったりもします。あまのじゃくです。

しかし、そんな楽観的な見方をぶち壊すような記事もありました。

自閉症スペクトラム(ASD)患者は、健康的な人の平均寿命と比べて平均18年も寿命が短いということを示す研究結果をスウェーデンのカロリンスカ研究所が発表しました。

さらに、

また、言語能力が高い人の中で、「自閉症スペクトラム」の概念が制定される以前にアスペルガー症候群と診断された人も、健康な人より早く死亡する可能性が2倍近くあることもわかっています。

しかも、

全体的な傾向は性別の影響がなかったものの、学習障害を持つASDの女性に限り、早く死亡する可能性が最も高い

そして、

ASD患者は幼年期のうちに自尊心を確立するのが難しいことを示す研究結果もあり、学習障害を持つ成人のASD患者は、自殺する可能性は一般平均の9倍以上になることがわかっています。

gigazine.net

結構衝撃的な記事ではないでしょうか。ちょっと整理してみたいと思います。

  • アスペルガー症候群の人の死亡リスクは一般の2倍。
  • 学習障害を持つ自閉スペクトラム症の人は平均より30年も早く死亡する傾向。
  • 学習障害を持つ自閉スペクトラム症の女性は自閉スペクトラム症の中で最も早く死亡する可能性。
  • 学習障害を持つ自閉スペクトラム症が自殺する可能性は一般平均の9倍。

他の死亡リスクと比べて浮かび上がる事実

さっと読むと、後味悪い記事でしたが、よく考えて見るとあまり悲観的になる必要はないと思います

「自閉スペクトラム症の人の死亡リスクは一般の2倍」という結果をどう捉えるか。

たとえば、「死亡リスクは2倍」でGoogle検索をすると興味深い結果が出ました。

  • 日本人の喫煙習慣と寿命 死亡率は2倍、命は10年短縮。
  • ビール腹は肥満より危険? 男性の死亡リスク2倍。
  • 運動不足 死亡リスク2倍。
  • 牛乳1日3杯飲む女性は死亡リスク2倍弱。
  • 女性は糖尿病で死亡リスク2倍。
  • 夜間頻尿の人は死亡率が約2倍。

いかがでしょうか。こうなると、足が臭いと死亡率が2倍とか、何でもありな予感。わたしの場合、アスペルガー症候群、ビール腹、運動不足、牛乳1日3杯、夜間頻尿…と5つの死亡リスクを抱えています。単純に計算して死亡リスク2倍×5種類=10倍のリスク。もう、とっくに死んでても良さそうですが、幸いにしてまだ生きています。

「自閉スペクトラム症患者は、健康的な人の平均寿命と比べて平均18年も寿命が短い」はいかがでしょうか。既婚者と独身者の平均余命の違いでは、男性で8~17年、女性で7~15年、独身者の寿命のほうが短いという調査もあるようです。低学歴、低収入も短寿命らしい。参考:独身者は既婚者よりも寿命が短い? 低学歴&低収入も短寿命の傾向 - ライブドアニュース

このデータで単純に引き算すると、独身で自閉スペクトラム症の人は30代で死ぬということになります。大変です。国は少子化よりも、独身者で自閉スペクトラム症の人を救う取り組みを早急にやらなければなりません。もちろん冗談ですが。

というわけで、死亡リスクなんていうものは、長く生きれば生きるほど高まっていくものですから、この手のニュースにいちいち反応する必要なんてないということです。死亡リスクについて、くよくよ考えているほうが、寿命を縮めそうです。

それでも気になるという方のためにGoogleで「死亡リスク 軽減」で検索した結果をご紹介しましょう。

  • 緑茶とコーヒーで死亡率が軽減する
  • ビタミンKを多く摂ると死亡リスクが軽減
  • 有酸素運動の習慣でがん死亡リスク軽減
  • 白内障手術で死亡リスク4割減 
  • ナッツを多く食べる人は、死亡リスクが2割軽減

このへんのことを一通りやっておけば、ASDの死亡リスクと相殺できるのではないでしょうか。もちろん、長生きできなくても責任は取りませんが・・・

もちろん、アスペルガー症候群の人は長期間投薬治療を続けていたり、社会的なプレッシャーを人一倍強く感じて生きていますので、日頃の健康管理には十分気を配りたいものです。

また、自殺リスクが高いとしたら、自殺を未然に防ぐ対策は、色々考えておいた方が良さそうです。高層階に住まないとか、首つりに適さない家選びはもちろん、くよくよ考えないための行動療法なども身につけておいたほうが良さそうです。

では、皆さん、お互いに長生きを目指して暮らしていきましょう。以上、大人のアスペルガー、よしまるがお届けしました。

 

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