発達障害のメソッド

ADHD、アスペルガーと向き合って42年。身につけたメソッドを公開します。(「アスペルガーのメソッド」を改名しました)

耳の仕組み 鼓膜はテコの原理で振動を3倍に増幅。最後は水振動で毛を揺らす

はじめに

聴力と自閉症の関係について調べていたら、耳の仕組みがかなりメカニカルでびっくりしたので、まとめてみようと思いました。

ざっくり語っても、繊細な耳の仕組み

wikiを元に図を作ったのですが、我ながら非常にわかりにくい! Youtubeを調べると素晴らしい映像があったので、忙しい方のためにGIFアニメでまとめてみました*1

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耳 - Wikipediaより出典後、一部改変。

ステップ1 空気を媒介して音は鼓膜に届く

音は、まず「耳(耳介)」で集音し、「外耳道」を通って、「鼓膜」を振動させます。ペコペコ、ブルブル。↓これ鼓膜のイラスト

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GifアニメはすべてAuditory Transduction (2002) - YouTubeからです。素晴らしいので、是非ご覧ください。

ステップ2 鼓膜から先は、テコの原理で振動を3倍に増幅

なんと鼓膜の裏には、骨がつながってたんですね。鼓膜を横から見た図。

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この3つの小骨が、テコの原理で振動を3倍に増幅することができます。

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3つ目の小骨が、ビートを刻み、いえ、振動を増幅させ、「蝸牛(かぎゅう)」という器官に伝えます。かなり機械仕掛け感あります。

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ステップ3 音の振動は「空気」から「液体(リンパ)」に移動

内耳の「蝸牛(かぎゅう)」の断面図。蝸牛の中には3本のパイプが通っていて、リンパ(液体)で満たされています。つまり、音の振動は空気から、リンパ液に変換されて振動するのです。

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ステップ4 蝸牛(かぎゅう)内では、周波数ごとに音をキャッチする

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ちなみに、10番の「蝸牛(かぎゅう)」は、ホルン状になっていて、蝸牛の入口付近では高音をキャッチ、奥に行くに従って低音をキャッチします。

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出典:hearing | sense | Britannica.com

ステップ5 水の揺れを、「毛」、つまり「有毛細胞」が捉え、神経信号に変換。信号が脳に到達し、「音」と認識される。

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蝸牛(かぎゅう)の中はさらにメカっています。「有毛細胞」は、音の振動を最後にキャッチする器官です。「有毛細胞」は約1万5000個あると言われ、蝸牛のパイプの中で綺麗に並んでいるのですが、周波数エリアごとにある有毛細胞の「毛」の部分が変形すると、土台が興奮し、神経伝達物質を放出します。それが、脳内(聴覚中枢)に送られて、音と認識するわけです。ジャジーでグルービーですね。

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これらすべてのステップを、一瞬で処理し、24時間使っていることを考えると、耳を酷使したらかわいそうな気がしてきました。

また、難聴や耳が遠くなる現象の多くは有毛細胞の損傷や老化にも原因があるようです。iPS細胞で再生できないものかしら。

耳が音を拾うと、耳は別の音で返している

もっと興味深い話。

音を有毛細胞が拾った時、実は有毛細胞自体からも音が出ているということ。つまり、耳が音を拾うとき、耳は同時に音を返しているというのです。なんで耳から音を出す必要があるのか。その理由は、まだ分かっていません。不思議です。

1,000ヘルツの音を耳に送ると、それ用の音が返ってきます。2,000ヘルツの音を耳に送っても、2,000ヘルツに対して反応した別の音が返ってきます。つまり耳はそれぞれの周波数に対して、個別に音を返しているのです。

「耳が出す音を測定」する。つまり、有毛細胞の働きを測定する

その特性を利用した聴力検査があります。「耳音響放射(OAE)検査」と言います。耳が返す音に異常はないか、音量は適切かを測定するのです。この検査により、音に対する「主観的な感じ方」ではなく「客観的な測定」をすることが可能になります。また、周波数ごとにある有毛細胞の健康度も分かるというわけです*2

動画で耳音響放射と検査のしくみが理解できます。赤ちゃんがカワイイ。


Neuro-Audio-Screen: Hearing Screening Techniques

おわりに

今日は「耳」の世界をちょっとのぞいてみました。

ところで、当ブログで「耳」について考えたのはなぜでしょうか。それは「耳音響放射(OAE)検査」で見つかった発達障害に関する研究を見つけたからです。そのことについては、次の記事で取り上げたいと思います。 

*1:gifアニメの出典はすべて:Auditory Transduction (2002) - YouTube

*2:あの佐村河内氏に感音難聴があったとは認められないというBPOの判断も耳音響放射検査に基いていました