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アスペルガーのメソッド

Methods of Asperger

自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群に効く薬(未来のくすり編)

アスペルガー症候群 アスペルガー症候群-治療薬

Methylphenidate

はじめに

ADHDにはコンサータやストラテラのような特効薬がありますが、自閉スペクトラム症には、まだ特効薬がありません。しかし、まもなくアスペルガー症候群が姿を消し、自閉スペクトラム症に名称変更するからには、大手製薬会社による「自閉症の特効薬の発表」という思惑が見え隠れするのは、ただの妄想でしょうか。

こんにちは、大人のアスペルガー症候群、よしまるです。

今日は、現在開発段階中の自閉症の治療薬について調べてみました。巨額の利益が絡んだ未発表の新薬情報が消費者の耳に入るわけがありませんので、今回はすでに上市されている薬で自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群を含む)に向けて再デビューを果たそうとしているオフラベルの薬に注目してみました。

商品名:ラパリムス

<動物実験段階:中核症状(社会的交流障害の改善)>ラパマイシン

ラパリムス錠はリンパ脈管筋腫症の薬です。リンパ脈管筋腫症は女性に発症する腫瘍性疾患のひとつで、男性に発症することはほとんどないとされています。そんな薬が自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群を含む)の中核症状に作用するのではないかということで、研究が進んでいます。

自閉症の主症状である「社会性相互交流障害」が、抗腫瘍薬、免疫抑制薬として複数の国で認可されているmTOR阻害薬の1種の「ラパマイシン」により改善することを、2種類の「結節性硬化症」モデルマウスを用いた動物実験により明らかにしたと発表した。<中略>今回の成果は、この治療法が自閉症の中核症状である社会的相互交流を改善すること、発達期を過ぎた大人になってからでも効果を発揮し得ることを動物実験で示したものとなる。(2012/12/20現在)

news.mynavi.jp

商品名:シントシノン

<臨床試験段階:中核症状(対人場面での相互作用の障害の改善)>オキシトシン点鼻スプレー

オキシトシンは女性ホルモンの一つで、「注射液アトニン−O注」として陣痛誘発剤として国内では点滴で使用されており、海外では点鼻薬として母乳を出やすくする薬としても使われています。この点鼻薬タイプのオキシトシンを自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群を含む)患者に使うと、中核症状である「対人場面での相互作用(社会性)の障害」が改善するのではないかとして、臨床研究が続けられています。(2015年9月4日現在)

www.amed.go.jp

 

商品名:トレンタール

<臨床試験段階:中核症状(コミュニケーション障害の改善)>ペントキシフィリン

慢性脳循環障害による頭痛・頭重・めまい・ しびれ感・睡眠障害の改善に適応するとされた薬です。但し、効果がほとんどみられなかったため、発売中止になりました。この薬が自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群を含む)の中核症状であるコミュニケーション障害に作用するのではないかという臨床研究が行われています。

参考:autism

jglobal.jst.go.jp

ベンゾジアゼピン系の抗不安薬

<臨床実験段階:中核症状(社会的交流、反復行動、および認知障害の改善)>

臨床現場では、すでに自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群を含む)の周辺症状に使われていると思いますが、低用量のベンゾジアゼピン系の抗不安薬が自閉症の多くの症状に改善が見られるのではないかとして、臨床実験が行われています。

「今回の研究では、厳密な動物実験により、自閉症における社会的交流、反復行動、および認知障害を改善するのに抑制性の神経伝達を強化するというアプローチが有効であるという強力なエビデンスが得られました」

今回の結果がヒトにも適用できることを確認するにはベンゾジアゼピン系薬(あるいは同系統の新薬)を用いた臨床試験が必要となりますが、アストラ・ゼネカ社と米国立保健研究機構が共同で、既に試験を1つ開始しています。

出典:低用量の抗不安薬が自閉症治療に有効かも | 最新健康ニュース

 

商品名:スラミン

<臨床試験段階:自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群を含む)の改善>

1920年にデビューしたアフリカ睡眠病の治療薬です。スラミンを1回注射すると、自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群を含む)の症状のあるマウスの症状が回復。5週間程度で再び異常行動が増加するというものです。この薬は脳関門を通過できないのですが、自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群を含む)の改善(何に効くかは不明)に向けた臨床治験がはじまっています。(2015年6月10日現在)

welq.jp

商品名:ビオプテン

<臨床試験段階:中核症状(社会性と言語障害)>テトラヒドロビオプテリン

高フェニルアラニン血症の治療薬であるビオプテンが、自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群を含む)の社会性と言語障害に作用するのではないかという臨床試験が行われています。

参考:autism

いくつかの二重盲検プラセボ対照試験および数多くの非盲検試験において、テトラヒドロビオプテリン(BH4)は幼児(5歳以下)における自閉症スペクトラム障害(ASD)の中核症状に対して有益な効果を示すことが報告されている(Front Neurosci 2010 Jul; 4:52)。BH4は主要神経伝達物質の産生における補因子であり、一酸化窒素(NO)経路に必須であるが、ASDにおけるBH4の作用機序は不明である。
<中略>
幼児自閉症患者を治療している医師は、潜在的な長期有害作用に関する縦断的追跡データが不足していることを強調したうえで、主に神経発達過程で有用な薬剤としての合理的な根拠があることを説明し、患者の両親とBH4の使用について話し合ってもよいと思われる。

shinagawasn.blog.so-net.ne.jp

商品名:エビリファイ

<承認申請中:周辺症状(興奮(かんしゃく・攻撃性・自傷行為など)>アリピプラゾール

エビリファイは統合失調症とうつ病の非定型抗精神病薬(DSS)です。2009年、アメリカのFDAは自閉症の周辺症状である興奮(かんしゃく・攻撃性・自傷行為など)を抑制する作用を承認したことから、日本でも使用を承認する声が上がっていました。現在、「小児期の自閉性障害に伴う興奮性」の効能を追加するため国内販売承認申請中(2015年12月7日現在)です。しかし臨床現場では、すでに使われているのではないでしょうか。

www.otsuka.co.jp

商品名:リスパダール

<追加承認取得:周辺症状(易刺激性(イライラ・怒りっぽい)>リスペリドン

リスパダールはジプレキサと並んで統合失調症で最も使用されている非定型抗精神病薬(SDA)です。このリスパダール、自閉症の周辺症状である易刺激性(イライラ・怒りっぽさ)に効果があるとして、2016年2月29日に「小児期の自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群を含む)に伴う易刺激性」の適応追加承認を取得しました。

おわりに

今回紹介した薬たちも、もともとは他の病気に効く薬でしたが、自閉症にも効果があることが分かって来たわけです。こうした適用外医薬品には歴史のある薬が多いので、悪い副作用はある程度知られているという点で、新薬に比べとっつきやすいという性質を持っています。

一方で今回のように、その副作用が思わぬ良い方向に転がることもあります。たとえば、「アスピリン」で有名な「アセチルサリチル酸」は頭痛薬に使われていますが、後に血栓症に使われるようになり、今では大腸がんの予防効果があるとして注目を浴びています。こうした薬が増えていくといいですね。

最後に、わたしは、医師でも薬剤師でも何でもありません。ただのアスペルガー症候群のいち患者です。こうした情報は、インターネットから集めて編集したものですので、真偽のほどは保証できません。薬に関しては、必ずかかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。