アスペルガーのメソッド

Methods of Asperger

発達障害の人が、まっすぐ歩くためにやりたい、3つのトレーニングと2つのコツ

Relationship Kids Walking Around Colors

はじめに

今日は、ADHDやアスペルガー症候群などの発達障害のために、まっすぐに歩けない人のためのメソッドをお届けしたいと思います。

アスペルガー症候群やADHDなどの発達障害の人は、普通の人が歩くように整然と歩けないという問題を抱えることが、比較的多いです。

たとえば、こんな感じです。

  • 歩行中に隣の人に何度もぶつかってしまう。もしくは、寄りかかってしまう。
  • まっすぐに歩いているつもりなのに、どんどん斜めに行ってしまう。
  • 色んなものにぶつかってしまう。電信柱とか。
  • 徒競走などで、斜めの方向へ走ってしまい、人をなぎ倒す。
  • 歩き方がピョコピョコしている。
  • カバンを大きく振り回して歩いてしまう。

いつもこんな歩き方ですから、友だちに愛想を尽かされてしまいます。ぶつかる頻度やタイミングによっては、ケンカになってしまったり。成長すると、友だちから一緒に歩るくと恥ずかしいからと避けられ、孤立してしまうこともあります。

辛いですよね。

発達障害の人はからだの動きが普通の人と異なっていることが多く、「普通の人の歩き方に近づけたい」となると、それなりの訓練が必要になります。

問題は「平衡感覚(前庭感覚)」の発達の遅れでした。

では、どんな訓練が必要なのでしょうか。「まっすぐに歩けない」理由を知ると、どんな訓練が必要かが見えてきます。

平衡感覚(前庭感覚)の発達が遅れているのです。

発達障害の人は基本的に運動が苦手だったり、手先が不器用であることが多いです(もちろん例外もありますが)。たとえばアスペルガー症候群や高機能自閉症の人たちの場合、「半数から7割が感覚敏感性の問題を抱えている」という調査結果が出されたこともあります。

感覚敏感性というのは、におい、音、光、味覚、圧痛、温度、平衡感覚といった、様々な感覚が、過敏だったり、逆に鈍感だったりするのです。

 

今回の、歩き方に関して言えば「平衡感覚(前庭感覚)」の発達の遅れが主要因であると考えられています。

たとえば、健康な人なら、目から入ってきた情報と触って感じた情報を脳内で統合し、筋肉や関節にどのように動けば良いかを伝えています。

しかし、発達障害の人の多くは、この感覚統合の処理が独特だったり、発達が遅れていることから、へんなところに力が入ってしまったりして、見た目の動きが人と違って見えるのです。

変なところに力が入ってしまうということは、非常に疲れやすいということでもあります。そして疲れるとますます、まっすぐ歩くことが難しくなってしまう。本当に大変です。

皆さん色々な努力をされていると思います。この記事では、わたしが幼いころからやって、うまくいっているトレーニングと、コツをご紹介したいと思います。この方法がまっすぐに歩けない人の生活の質の向上に、少しでもお役に立てるならうれしく思います。

※アスペルガー症候群の場合は、トレーニングだけでなんとかなるかもしれませんが、ADHDの場合は、多動性がありますから、お薬のチカラも必要かもしれません。わたしが子どもの頃は、コンサータもストラテラもありませんでしたから、トレーニングするほかありませんでした。

まっすぐに歩くための「3種類のトレーニングと2つのコツ」

これからご紹介する「まっすぐ歩くための3種類のトレーニング」はリズム&バランスのトレーニング。「2つのコツ」は視線の動かし方にポイントがあります。これは、子どもだけでなく、大人でまっすぐに歩けない人にも効果があります。ぜひトライしてみてください。 

トレーニング1. 往復歩行で、線からはみ出さないように歩く。

床にラインを引き、はみ出さないように歩きます。最初は5往復、5mくらいからスタート。次第に距離と回数を増やして行きます。失敗したら0から数え直し。

わたしの場合、結構ひどかったので、年長さんくらいの年齢からスタートし、高学年になるまでやりました。中高生になってからも、カバンを振り回しながら歩く癖があったので、カバンを動かさずに歩く練習をした記憶があります(やらされていたという方が正しい)。

トレーニングは、一回にたくさんやるより、毎日、隔日など、定期性を保つことが大切です。大人の場合は、公園やランニングコースなどを利用してトレーニングをするといいと思います。

f:id:HULOT:20160513192123g:plain

トレーニング2. ワンバウンドリフティングで、バランス感覚と筋肉を付ける。

最初からリフティングは難しいので、ワンバウンドのリフティングをやります。最初は、1回やるのも難しいかと思いますが、まずは1回を目標に。その後回数を増やしていきます。

ノーバンでリフティングが何回もできるようになる頃には、体育での評価も上がり、自信が付いてくると思います(動きは多少変ですが)。

蹴るというよりは、足の甲にかるく当てる感じでやるとうまくいきます。小学生低学年から中学生くらいまで続けました。

今でも、動きのおかしさを家族に指摘されたりしたときは、家の中でリフティングをしてバランスを鍛えています。

動きながらリズムやバランスを鍛えるというのが、正しい歩き方に通ずるポイントのような気がしています。

f:id:HULOT:20160513192152g:plain

トレーニング3. 縄跳びで、リズムとバランス感覚を養う。

縄跳びは、持久力と、自分の重心のポイントをつかむのに適しているように思います。同じ位置で跳び続けることで、動きながらバランスを取れるようになっていきます。

※ある程度跳べるようになると、顔を斜めにして飛ぶなど、姿勢がおかしいまま飛び続けることがあります。これは、正しい姿勢になるよう、注意が必要です。

縄跳びをする場所がなければ、家庭用のトランポリンや、バランスホッピングなどもあり。道具も場所もなければ、◯を書いた中でジャンプする練習もありだと思います。

余談ですが、これは発達障害の特徴だと思うのですが、どんなことでも人並みになるまでは、涙ぐましい努力と時間がかかります。でも、一度人並みに追い付けば、その後の成長スピードとレベルは半端なかったりします。

3年生まで3回も前飛びができませんでしたが、6年生になると「三重跳び」までできるようになっていました。

f:id:HULOT:20160513192208g:plain 

コツその1 目標物、目標線を見て歩く。下はあまり見ない。

f:id:HULOT:20160513204735j:plain

進む方向の先、つまり行く方向や目標物を決めて歩きます。わたしの場合、下ばかり見て歩く傾向がありましたので、行く先の目標を定めて進むように訓練しました。

とくに、先に何があるか予測して歩くのは大事です。これは「往復歩行」でトレーニングを重ねると良いです。 この訓練は将来、自動車を運転する際に大変役立ちます。

コツその2 隣を歩いている人を見すぎない。できるだけ前を見る。

隣を歩いている人とおしゃべりをします。その際、隣の人の顔を斜めに見て話すと、体も斜めに向いてしまう。すると、体がその方向に行ってしまうのです。それで、おしゃべりに集中してしまうと、話している相手にぶつかってしまうのです。

隣の人の顔を見ないで歩けば、隣の人の進路を妨害せずにすみます。

ただし、隣の人を全く意識しないと、隣の人がどこか行っても気づかないことがあります。おしゃべりを続けながら、目標を見て歩くことが大切です(大人になっても、誰かと並んで歩くことは疲れます)。   

おわりに

「発達障害の人が、まっすぐ歩くためにやりたい、3つのトレーニングと2つのコツ」はいかがだったでしょうか。

このメソッドをやっているからといって、完璧な歩き方を身に付けたわけではなく、いまでもたまに知人から「遠くにいても歩き方でよしまる君だと分かったよ」と言われるとドキッとして、歩き方に気をつかうようにしています。

でも、さすがに40歳を超えると、普通の人も腰が痛かったり、お腹が出たりと、色々な理由で歩き方がおかしくなって来るものです。ですから、幼い頃から歩き方に気を使っている発達障害の人のほうが、むしろ歳をとってから、歩く姿勢が良かったりすることもよくあります。

だから、あせらず、ゆっくり、じっくり、ていねいに、トレーニングしていきましょうね。

※大人になって、突然ふらふらしたり、まっすぐに歩けないときは、生命に関わる病気のこともあります。まずは、病院で診てもらったほうがいいと思います。