アスペルガーのメソッド

ADHD、アスペルガーとして40年。身につけたメソッド(対策・生き方)をご紹介します。

アスペルガー症候群の生きづらさを、わずか3分の例えでわかりやすく説明する

Happy World Penguin Day!

 人と違ったことをすると目立つ。それが原因で生きづらくなると、それは症状と呼ばれる。

2016/08/16にSmartNews(スマートニュース、スマニュー)で紹介されました!ありがとうございます。

こんにちは、大人のアスペルガー症候群(自閉症スペクトラムの一種)のよしまるです。

わたしは海外によくロングステイしているのですが、駐在員や旅行者、リタイアした日本人にもよく出会います。この海外に暮らす日本人。彼らを観察していると、ある共通点があるんです。これが、アスペルガー症候群をはじめとする自閉症スペクトラム障害の症状に非常によく似ているから驚きです。

家族に、友人に、同僚に、アスペルガー症候群の人がいたら、ちょっとだけ、海外在住の日本人を想像してみてください。

では、海外在住日本人の主な特徴をあげてみたいと思います。

  • コミュニケーションの特性

  • すべての話を額面通りに受け取ってしまう。例えば言い値や冗談を真に受けてしまい騙されやすい。
  • 相手の目を見て会話できないことが多い。
  • 言外の意味を読み取れないので、誤解が生じやすい。
  • 会話が咬み合わないので、話が長続きしない。
  • 相手の意図が読み取れないので、親切を受けたのに怒りだしたりする。
  • 自分の話ばかりで、相手の話に対する理解度が低いため友だちが少ない。
  • 社会性の特性

  • 現地のコミュニティで、場の雰囲気が読めないため、引っ込み思案に。
  • 長年暮らしていても現地の友だちがいないので、引きこもりがちに。
  • 現地のマナーになかなか合わせられないため、日本人だからしょうがないと言われている。
  • 外出や外食は、ひとりが多いため、周りから不思議がられてしまう。
  • 服装が浮いていることが多いため、変わっていると思われている。
  • 想像力の特性

  • 現地の食べ物より、日本食ばかり食べる(いつも同じ物ばかり注文する)。
  • 新しい趣味やチャレンジをしない(ゴルフばかり)。
  • 約束が守られないと、すぐパニックになる。神経質だと思われている。
  • 予定どおりを好む。急な変更に弱い。トラブルになりやすい。
  • 何をするにも、こだわりが強く、変えたがらない。相手を困らせることが多い。
  • 現地のルールをガイドブック通りに覚え、融通が利かない。
  • その他の特性

  • 動きが独特なので、遠目でも日本人と分かる。
  • 現地の人と比べ、いつもキョロキョロしている。
  • 特定の音や匂いに過敏。

海外で暮らす日本人(少数派)は、異文化(多数派)の中で苦労して生活している。

海外在住の日本人(少数派)は大方こんな感じです。したがって、皆さんかなり苦労しながら暮らしておられます。もちろん、はじめのうちは努力して現地の人(多数派)に歩みよろうとする人がほとんどです。だからといって、みんながクリアできるわけではありません。生きづらさゆえに、うつ病になって帰国というのも、よく聞く話です。

結局どんなに頑張っても現地では外国人であるという現実は変わらないのです。この状況って、アスペルガー症候群をはじめとする自閉症の人と、よく似ていませんか?*1

社会の常識に自分を合わせる。いろんなものを犠牲にして。

アスペルガー症候群の人にとって、毎日の生活は海外で暮らしているかのように不便で、困難です。なぜなら、自分の脳内で処理した常識やルールが世の中と違う。

想像力を働かせても、相手の思っていることと違うことが多い。何気なく言ったことが、人を傷つけてしまう。それで、逆に傷ついたり・・・。

それでも、あきらめず世の中に自分を合わせようと努力している自閉症スペクトラムの人は少なくありません。

ひとりで無人島には暮らせない。理解してくれる人のおかげで今日も生きていける。

そんな生きづらい世の中で、なぜ暮らしていけるのでしょう。それは、アスペルガー症候群のことを理解してくれるあなたがいるからです。

たとえ、アスペルガー症候群と知っていても、知らなくても、自分と全く違う考え方をする人のことを尊重しようと一生懸命になってくれる(海外在住の日本人を温かく受け入れてくれる国の人たちのように)。

そんなあなたがいるからこそ、今日も不器用ながらも、一生懸命生きていけるのです。

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*1:外国に暮らしているせいか、わたしのアスペルガーの症状はもはや目立ちません。おそらくわたしは「日本人」というくくりでしか見られていないので、わたしも他の日本人も大差ないと思われているのではないでしょうか。もっともわたしは現地にすっかり溶けこんでいると思っていますけどね(笑)